ここ数年夏に限らずストリートでの注目度が増しているナイロンショーツやハーフパンツ。いわゆる「短パン」なのだが、これがお洒落・快適・動きやすいというハイスペック定番アイテムとして日本の夏にも欠かせなくなりつつある。
とはいえやはり「膝が出るほど短い丈は恥ずかしい。」「快適そうだけど大の大人が履いて大丈夫?」そういう思考がよぎってなかなか手を出せずにいる人も多いことだろう。
かたや涼しげな表情で悠々と街を闊歩するのは「ショーツなくして夏を乗り切るのは無理だ」ときっぱりと言い切るショーツ男子。彼らが推す、これぞ定番!な大人が履けるナイロンショーツを一挙ご紹介。
コブラキャップス(COBRA CAPS)のMICROFIBER ALL PURPUSE SHORTS
バギーショーツと呼ぶにふさわしい、がっつり太めのナイロンショーツ。
そのラフでざっくりとした雰囲気の見た目を裏切らない優れた機能性と、何色も買い揃えたくなるコストパフォーマンスの良さで人気を集めるアメリカのブランドである。
抜群の肌触りのマイクロファイバーポリエステル製「マイクロファイバーオールパーパスショーツ」は、吸水性・速乾性に優れた水陸両用モデル。
ウエストゴムがワンタッチで調整できるタイプを採用してあるため、ビッグTシャツに合わせて腰で履くときなどにも一瞬でジャストフィット。
元はスイムショーツとして作られたこともあり、サイドのポケットが裏地と同様メッシュ製なのも特徴だが、ほかのメジャーブランドに比べてポケットの深さは比較的浅め。収納力重視派には多少ネックに感じてしまう部分かもしれないが、そんなものはサコッシュにでもウエストポーチにでも放り込んでおけばよいと思われる。
まさにオールパーパスな材質と優れた機能性を持つにもかかわらず、¥4,320-(税込)というコスパの良さ。
スイムショーツにありがちな「メッシュインナーうざい問題」に対する処置として、思いきって切ってしまうという選択ができるのもこの価格ならでは。
パタゴニア(Patagonia)のMen’s Baggie’s Longs
言わずと知れたアウトドア系メジャーブランドのひとつパタゴニアのナイロンショーツは、定番中の定番モデル「メンズ・バギーズ・ロング」がおすすめ。同じくバギーズパンツで「メンズ・バギーズ・ショーツ」というモデルも存在し、文字通り股下がそれぞれ5インチと7インチという異なる長さになっている。
どちらを好んで履くかは本当に人それぞれになってしまうのだが、比較画像も多く出回っているため自分の体型や好みに合った方を選べば間違いはないだろう。
パタゴニアのブランドを背負うだけありしっかりとした作りになっているため、ガシガシ穿いてもナイロンの生地感がいい感じに味を出してくる。
パタゴニアのバギーズシリーズはメンズの二種類のほかウィメンズ・ボーイズ・ガールズとベビーズも展開してあり、夏休みのアウトドア用に家族みんなで揃えちゃうっていう楽しみ方ができるのもオツ。
グラミチ(Gramicci)のMENSショートパンツ
アメリカはヨセミテでクライミングウェアのブランドとして産声をあげた「Gramicci(グラミチ)」。現在のグラミチはそのフィールドをタウンユースにも拡大し「イージー&カンファタブル」と「ニュースタンダード」を追求するライフスタイルブランドとして世界中の人々に愛されている。
日本でも男女問わず圧倒的な知名度を誇るアウトドア系ブランドのひとつとして確実な地位を築き上げている。
クライミングのための機能性重視な服づくりがルーツにあるため、趣向を凝らしたディテールやつくりの良さは言わずもがな。現在多くのブランドが採用している、180度の自然な開脚ができるガゼットクロッチや片手で調整可能なウェビングベルトの生みの親でもあるグラミチは、その機能性に加えさらに素材やシルエットなどに着目した新たなデザインを次々と世に打ち出している。
人気の理由はそれだけではなく、一番はなんといってもその圧倒的なバリエーションの多さである。
代表モデル「グラミチショーツ」、タウンユースのための洗練されたデザインが特徴の「NNショーツ」に加え、新モデル「STショーツ(ST=STANDARD)」の登場によりますます豊富になったショートパンツのラインナップ。
それぞれグラミチショーツで18色、NNショーツで10色を定番カラーとして展開しており、さらに世界中の名だたる有名ブランドとのダブルネームや限定モデルなども次々とリリースしている。
メンズだけでなくレディスウェアとしての評価も高く、まず一本は持っておきたいナイロンショーツであることは間違いないだろう。
ストーンアイランド(STONE ISLAND)のナイロンメタル スイムカーゴショーツ
今もっとも勢いのあるストリートウェアブランドの一つ「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」。1982年にイタリアで生まれたインフォーマルウェアブランドで、代名詞は「研究」「実験」「機能性へのこだわり」。まさにその名の通り、ストーンアイランドの基盤にあるのは繊維やテキスタイルに関するあくなき探究心である。
ストリートの若者たちから圧倒的支持を得ている理由の一つであるこの絶妙な艶感こそが、ストーンアイランドの基盤である素材やテキスタイルへのあくなき探究心の賜物である。
まずはその、いわゆるストーンアイランド的な素材「ナイロンメタル」を履く以外に選択肢はないだろう。
カラーは有無を言わせずネイビー一択。
形こそパタゴニアのバギーズに近いものの、実はこのちゃんとしたネイビーカラーのショーツにはストーンアイランドでしか出会えないのだ。
この艶感を身につけられるのは大人の特権だ。差をつけたければ迷わずこの一本を。
¥24,062-(税込)
大人だからこそショーツを手にしよう
ストリート文化のファッションへの浸透が比較的遅かった日本では、欧米に比べるとショーツ人口はまだまだ少ない方ではある。
しかしもはやショーツ(こと夏場におけるナイロンショーツ)は、大人こそ着るべき必須アイテムになりつつある。
考えてもみてほしいのだが、こうも蒸し暑いこの国の夏を少しでも涼やかに過ごすためには、大人だからこそショーツを履かなければ自他ともにむさくるしくてしかたがない。
子どもが履くと短パン、大人が履くからこそかっこよくきまるのがナイロンショーツである。
歳をとるごとにどんどんショーツが似合っていくような、そんな大人になりたいものである。